「人間科学」に特化したAIチームが立ち上がった理由ーこれからのAIに必要なこと

2023-02-16

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研究開発

世界トップクラスの行動認識AIをコアとした警備システムを開発するアジラが、ヒューマンサイエンスの研究を軸とした専門チーム・Human Science AI研究チーム(以下、HSAR)を2023年2月に発足。本記事では、HSARの研究が世の中とどのように繋がるのか、チーム立ち上げ発起人のアジラCTO若狭 政啓氏にお話を伺いました。

きっかけはお客様「これからのAIに大切なこと」

株式会社アジラ CTO 若狭 政啓氏
ー アジラはAI警備システムを開発する会社ですが、HSARチームを組織しようと思ったきっかけは?

アジラは、2017年から行動認識AIに着目し、2022年からAI警備システムを展開しています。導入後、お客様からは防犯体制の強化に貢献しているとのお声をいただく一方で、「もっとこうした人間の行動を分析できないのか」というご要望が増えていました。そこで、人間の細かな動きを正しく判断するために必要な「人間らしさへの理解」を深めるために、人間科学に特化したAIチームのHSARチームを立ち上げることを決めました。

ー お客様からのご要望から、どのようにAIの精度向上には「人間への理解」が必要だと感じられたのでしょうか。

正直、お客様からのご要望に対しては「なかなかハードルが高い事をおっしゃるな」と実現への難しさを感じつつも、我々アジラが目指す「事件・事故を未然に防ぎ、安心安全な世界の実現」に向け、これは取り組むべきではないか、と思いました。実現のためには何が必要なのか、何が足りないのかと考えたときに、人の細かな動きを正しく判断するためには、人間に対する知識がまだ浅かったことに気づきました。
AIの精度向上のためには「人間らしさへの理解」を補強しなければいけないのではないか、と。そこで、人間を科学的かつ専門的に研究するHSARチームを発足する事をこの度決意しました。

AIは未来を創るための「ツール」

R&Dチームとプロダクト研究を進める
ー 人間の科学的分析を通じ更なるAIの精度向上が期待される一方で、AIが”人間らしくなる”ことに不安を感じてしまいますが、その点はどのように考えていますか?

私たちは、AIが何か意識を持ち人間の代わりになるという捉え方ではなく、表計算ソフトや買い物アプリといったソフトウェアと同様、あくまで技術的なツールの一つでしかないと捉えています。大切なのは、そのツールを使っていかに私たち人間を補完し、生活の快適性を向上する手助けとなるように活用していくべきなのか。これが、我々が目指している目的です。

ー AIは人から何かを奪うのではなく「人間のためのAI」という位置付けなのですね。

そうですね。私たちはAI警備システムを開発していますが、このシステムが完全に警備員の仕事を奪ってしまうということでは全くありません。あくまでこのシステムを通じて警備員の仕事負担が軽減し、人にしかできない仕事に集中し効率化していくというところを目指しています。AIは脅威な存在ではなく、あくまで人間に寄り添う「人のためのAI」。こうした考えを大切に日々研究開発を進めています。

「人×AIのイノベーション」で世界トップの行動認識AIを目指す

アジラは、「Technology Driven Future」という理念をベースに、全ての人が安心・安全で暮らせる世界を実現するために、日々研究開発を行っています。特に、行動認識AIの分野においては、世界トップになるという強い思いを持ち、研究者やメンバーがチーム一丸となり、常に進化を続けています。今後は更に弊社の行動認識AI技術の更なる進化を推進するとともに、全てのエンジニアが自身のキャリアを追及し、常にワクワクできるような環境作りの実現に向け、より一層努めて参ります。人間の行動に関するAIに興味ある方、ぜひ一緒に何か形にできればと思っておりますのでよろしくお願いします。

HSARに関するお問合せ: pr@asilla.jp 担当:若狭

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若狭 政啓プロフィール

株式会社アジラ
取締役 CTO
若狭 政啓

2018年に東京工業大学大学院修了後、日揮株式会社に入社。 クウェート国建設現場駐在、プラント設計IT業務に従事。 その後、2020年に株式会社アジラに参画し、行動認識AIに関する製品開発を担当、IVAソリューション事業部統括に就任、2022年4月には執行役員CTO、2023年3月に取締役CTOに就任。

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