2025-10-20
追手門学院大学は、2022年に始動した第Ⅳ期中期経営戦略において、教育・研究力の強化と学部の多様性確保を目標に掲げています。その戦略の中核として、2025年4月から大阪府茨木市に位置する茨木総持寺キャンパスに、既存学部や大学院の一部、本部機能を集約する構想を打ち出しました。これに伴い、茨木総持寺キャンパスには地上6階建て、延床面積約45,000㎡の新校舎を建設し、校舎長さ南北約250mの中に大小教室や研究室、交流空間をワンフロアに配置することで、学びと交流を融合させる設計としています。2025年には茨木総持寺キャンパスに学生数約8,000名規模(従来は約3,500名)で集約する計画です。このような躍進を続ける一方で、学生や教職員の安全を確保しつつも、増加する施設を効率的に管理するという新たな課題に直面していました。そこで追手門学院大学はこのような課題に対して「AI Security asilla」を導入し、AIと人が協働する次世代型の警備体制を構築することで解決を試みました。
なぜ「AI Security asilla」の導入に踏み切ったのか、そしてどのような効果があったのか。今回は、学校法人追手門学院の財務・施設部長 礒田様に直接お話を伺いました。
アジラ: 本日はお忙しい中、ありがとうございます。
礒田様: こちらこそ、ありがとうございます。警備DXを検討するにあたり、茨木総持寺キャンパスに新校舎開設の構想があったことが背景にあります。再編に伴いキャンパス全体が広がり、学生や教職員の動線も複雑になったんです。また例えば夜間、人通りの少ない新校舎の裏手や駐輪場などでは、不審者の侵入リスクが高まり、従来の巡回警備だけではどうしても死角が生まれてしまう状況でした。このような課題感を基にまずは話を聞いてみようと思いました。
アジラ: 警備員の方だけでは、広大なエリアを網羅するのが難しいという課題があったのですね。
礒田様: まさにその通りです。警備員を単純に増員することももちろん検討しましたが、コスト面を考えると現実的ではありませんでした。また、授業後の夕方には学生が一斉に移動するため、転倒や急病といった予期せぬ事態への対応も、警備員が目視で全てをカバーするのは困難だと感じていました。
アジラ: 施設の安全性だけでなく、学生さんの安全確保も重要な課題だったのですね。
礒田様: はい。それに加えて、新校舎には大教室・フリールーム・フリースペースが設置され、そこでの混雑状況や不正利用も問題になっていました。どの部屋がどれくらい利用されているか、感覚に頼るしかない状況で、運営の最適化も大きな課題だったんです。
礒田様:
決め手は3つあります。
まず1つ目は、他大学での導入実績です。教育機関での具体的な運用事例を事前に確認できたことで、私たちも安心して導入を決断できました。
2つ目は、既存カメラをそのまま活用できる点です。高性能カメラを一斉に導入する必要がなく、既設のカメラをAI化するだけで済むため、導入コストを大幅に抑えられました。
そして3つ目は、継続的なアップデートです。AI技術は日々進化していますから、「導入して終わり」ではなく、常に最先端を維持できる環境であることが重要でした。アジラさんでは数ヶ月に一度の頻度で機能改善や新モデルのリリースがあると伺い、長期的な運用を見据えて最適だと判断しました。
礒田様:
導入効果は非常に大きかったです。AIカメラが侵入検知やライン通過検知等を通じて常時監視してくれることで、警備員は本当に必要な場所に注力でき、限られた人員でもキャンパス全体の安全を維持できていると思います。
人員削減効果としては2名程度ですが、AIカメラによって巡回頻度を減らしても安全性を確保できる点が大きいです。もちろんのこと、巡回の内容も変わりました。以前は薄く広く複数回巡回していましたが、現在は精度の高い巡回に重点を置き、建物の不具合やお困りごとなどAIでは判断が難しい事案に警備員が対応し、残留者や侵入者の検知はAIカメラを通じて対応しています。さらに、特定エリアの出入り状況を調査する際には、AIによるライン通過データを活用して効率的に人流を把握できるようになりました。
加えて、AIカメラの導入により、製品の性能が現場で高く評価されたことから、新校舎や重要箇所への追加設置を進め、AI Security asillaの活用範囲を当初の50台程度から100台以上にまで広げてきました。この結果、防犯や緊急対応の監視体制がより網羅的になり、学生・教職員の安全確保に大きく寄与しています。転倒や急病などの事案もAIが即座に検知・通知してくれるため、救護対応の初動が格段に速くなりました。以前は巡回中でしか気づけなかった事案も、AIが24時間見守ってくれることで、万が一の事態にも迅速に対応できています。
礒田様:今後はAIが収集した検知データを分析し、警備ルートや配置計画の最適化に活用したいと考えています。さらに、新校舎の自習スペースや多目的ホールでは、人流データを利用して混雑の平準化に向けた取り組み等も検討しています。安全管理はもちろんのこと、快適な学び環境の創出へもつなげたいですね。
アジラさんには導入後の設定変更や運用相談など手厚いサポートに対応していただき、「導入して終わり」ではなく伴走してくれるパートナーだと感じています。これからも、私たちのキャンパスの安全を共に支えていければと思います。
アジラ:
本日は貴重なお話をありがとうございました。今後も追手門学院大学様の「安心で快適な学びの場」づくりを支援できるよう、引き続きサポートさせていただきます。