2025-11-18
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超高齢社会を迎え、介護業界では慢性的な人手不足やスタッフの業務負担増大が課題となっています。そんな中、株式会社チャーム・ケア・コーポレーション(以下チャーム・ケア・コーポレーション)では、介護スタッフによる夜間巡回の生産性向上に加えて対応の迅速化、ご入居者の日々の安心・安全を守ることを目的に最新のAI警備システム「AI Security asilla(以下asilla)」の実証実験を行っております。
今回は、事業構想室の各和 貴幸様に、介護施設ならではのasillaの活用法についてお話を伺いました。
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アジラ:本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。
各和様: はい。今回の実証導入の主な目的は夜間の見守り体制の強化です。
施設ではご入居者が転倒されてしまったり、お部屋から出たまま帰られないという事案が定期的に発生していました。こうした異変にすぐに気づき、対応することが運営の課題でした。
そこで、テクノロジーの力を借りて夜間の見守り体制を強化できないかと考え始めました。介護業界では人手不足が深刻で、特に夜間帯はスタッフの人数が限られており、巡視が手薄になることがありました。実務では夜間に居室から出られてしまうご入居者様や、その後転倒される方など、常に気を配る必要がありました。限られたスタッフで全てのフロアをカバーするには限界があり、実際に転倒に気づくのが遅れてしまう事案も発生していたため、このままではいけないという強い危機感がありました。

アジラ:ただでさえスタッフさんが不足している中でそれは大変な状況ですね
各和様: 他社のAIサービスやセンサーなどももちろんのこと検討しましたが、「AI Security asilla」で実証実験を行うことを決めたのは、以下の3つのポイントが決め手となりました。
まず、1つ目は検知項目の豊富さです。当初に実現したかったこととして、各居室の出口に侵入検知エリアを設定しておくことで、誰がいつ、どのタイミングで入退室をしたかを記録しておき、何か起きたらログだけをすぐに見返したいと考えてました。しかし、それと同時に転倒、など、介護施設特有のさまざまな「見守り」に対応できる拡張性も求めておりました。

次に、既存カメラをそのまま活用できる点です。新たな設備投資が不要で、コストを抑えてスピーディーに実証できるのは大きなメリットです。
そして、3つ目が「Buddycom」との連携機能です。当施設のスタッフは巡回で常に動き回っているため、待機所のモニターを確認する時間がありません。「Buddycom」経由で個人のスマートフォン端末に直接通知が届く仕組みは、緊急時の初動対応を劇的に早める上で不可欠だと考えました。


最後にアジラ社の対応の速さもありがたかったですね。アジラ社としても、介護施設での運用は不慣れな中で、介護施設特有の、例えば通常の転倒ではなく「ゆっくりとしゃがみこむような転倒」に関しても、当初は検知できませんでしたが、当社側の要望を汲み取ったうえでモデル開発にもご協力いただき、最終的には問題なく検出できるようになりました。その技術力もさることながら、柔軟かつスピーディーな対応に感銘を受けました。
まず、異常発生後の駆けつけ対応が格段に速くなりました。 AIが異常を検知してすぐにスタッフに通知してくれるので、スタッフが見過ごしてしまい対応が遅れることがなくなりました。また、今まで見逃していたような事案にも対応できるようになりました。夜間に居室を出てしまった方を「滞留」検知で早期に発見し、居室へ誘導できたことがあります。日中も数件の転倒を検知し、迅速な介助に繋がりました。
そして何より大きかったのは、カメラ映像の確認時間が大幅に短縮されたことです。 以前は何かあった際、録画された膨大な映像を手作業で探して確認するしかありませんでした。しかし、今はasillaの検知ログを確認するだけで、すぐに状況を把握できます。これにより、映像確認にかかっていた時間がおよそ10分の1程度に減ったと感じています。

各和様: 「AI Security asilla」は、ご入居者の安心安全を守るだけでなく、スタッフの働き方改革を進める上で有用だということがわかりました。さらに検知項目を増やし、より多くのリスクを未然に防げたら良いのではないかと思います。今後も介護業界全体が抱える人手不足という課題に対し、AIの力を借りて、持続可能なケアサービスを提供していく所存です。
アジラ:貴重なお話ありがとうございました!