工事中の混雑リスクを“見える化”、 安全運用を実現したRSC様の取り組み

2025-11-12

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事例紹介

本日お話をお伺いしたのは

株式会社アール・エス・シー SS事業統括部 ビルマネジメント事業部 黒沼様

本記事のサマリー

導入の背景:防犯から安全運用へー混雑対策にもデータを活かす新たな取り組み

アジラ:

ーーRSC様は「AI Security asilla」で警備体制の高度化に取り組まれていますが、 今回「asilla BIZ」を導入されたきっかけを教えてください。

黒沼様:

これまでは主に「AI Security asilla」を使い、防犯や施設内の安全モニタリングなど、警備の高度化に取り組んできました。 一方で、安全を考えるうえでは、来館者が施設内をどのように行き来しているかを把握することも欠かせません。
asilla BIZは、来館や通行といった人の流れをデータで見える化し、混雑の把握や誘導判断に役立てられるツールだと感じています。 現場の判断をより的確にサポートしてくれる点にも魅力を感じました。

アジラ:

なるほど。Securityで培われた警備ノウハウを、今度は安全運用や混雑対策の領域にも広げて活用されたのですね。

黒沼様:

はい。そのきっかけとなったのが、施設内の主要エスカレーターの改修工事です。このエスカレーターは来館者の多くが利用する、館内でも特に混雑しやすい導線に位置していました。工事期間中は3基のうち1基を停止し、残る2基で運用する必要があり、人の流れが一か所に集中して混雑や雑踏事故が発生するリスクが懸念されていました。

安全に運用を行うためには、「どの時間帯に」「どの程度人が利用しているのか」を事前に把握し、適切な誘導計画を立てる必要があります。そこで、BIZを活用すれば、利用傾向を定量的に把握でき、データをもとに安全で効率的な運用設計ができると判断しました。

導入の決め手:既存カメラを活かし、データで「安全管理の根拠」をつくる

アジラ:
ーーasilla BIZの導入を検討する際、どのような点が決め手になったのでしょうか?

黒沼様:
BIZの導入を決めた理由のひとつは、既に設置しているカメラをそのまま活用できたことです。
また、主要エスカレーターなどの来館導線の計測だけでなく、通行状況を可視化して時間帯ごとの混雑傾向を把握できる点にも魅力を感じました。
さらに、イベント開催時の来場傾向の把握など、幅広い場面で活用できる点も導入の後押しとなりました。

アジラ:
 なるほど。BIZの導入で、安全管理の進め方にも新しい視点が加わりそうですね。

黒沼様:
そうですね。これまでの経験や感覚に加えて、定量データをもとに配置や対策を提案できるのは大きいです。
施設側にも「なぜこの対策が必要なのか」を数字で説明できるようになり、説得力のある運用計画が立てられるようになりました。

データ活用:数値で見えた混雑傾向をもとに、現場で活かせる運用計画へ

アジラ:

ーーエスカレーター改修工事の安全管理を進める中で、BIZのデータはどのように活かされたのでしょうか?

黒沼様

まずは現状を把握するために、BIZの人数カウント機能で、エスカレーターの利用人数を計測し、平日と休日それぞれの平均を出してみました。すると、休日の13〜14時台と15〜18時台に来館・退館のピークがあることが見えてきました。実際に数字で見ると想定以上の人の数で、多い時間帯では1時間に数千人が利用していることも分かり、かなり驚きました。

アジラ
なるほど、肌感覚ではわかっていても、数字で見ると印象が変わりますね。


黒沼様

そうなんです。やはり「データで示す」と説得力があります。

今までは「この時間帯は混みます」と口頭で伝えていたのですが、今ではBIZのグラフを見せながら「ここでは実際に5,000人近く通過しています」と説明できるようになりました。

おかげで、関係者間の共有もスムーズになりました。

アジラ:
ーーデータを踏まえて、どのような施策を実施されたのでしょうか?


黒沼様

まずは現状を把握することから始めました。
BIZの人数カウント機能を使って、改修前のエスカレーター利用人数を計測し、時間帯別の混雑傾向や平日と休日の利用傾向を整理したんです。
その結果、休日の13〜14時台と15〜18時台に利用が集中することがわかり、混雑しやすい時間帯の目安が見えてきました。

次に、そのデータをもとにエスカレーターの輸送能力と照らし合わせて分析しました。
改修工事中は3基のうち1基が停止するため、輸送能力が一時的に減少します。その状態で、同じ人数が利用した場合、どの時間帯でどれだけ人があふれるのかをシミュレーションしたんです。​​そのうえで、限られたエスカレーターの輸送能力を最大限に活用できるよう、運用方法を設計しました。

アジラ

ーー具体的には、どのような施策を検討、実施されたのでしょうか?

黒沼様
具体的な施策としては、スタッフの配置やスピーカー、看板の設置を検討し、対応が必要な時間帯と誘導の手順を細かく整理しました。

まず、時間帯別の混雑傾向をもとに、案内スタッフと警備員の配置パターンを設計しました。
特に休日の13時〜18時台は混雑が集中することが把握できたことから、エスカレーターの乗降部付近にそれぞれに案内員を配置し、最も混み合う15時以降は警備員を追加して3名体制で運用しています。

各スタッフの誘導時には、「2列でお乗りください」とお声がけして片側乗りの偏りをなくし、輸送能力をフルに活かせる状態をつくります。あわせて、階段の利用や他の入口への分散導線も案内し、流入を適切に振り分けることで滞留・混雑リスクを抑える運用にしています。
また、自動音声機も設置して、混雑時でも継続的に案内を行えるようにしています。

成果と今後:データで効果を検証し、次なる安全運用へ

アジラ
実際の効果はいかがでしたか?

黒沼様
おかげさまで、改修工事を開始してから数ヶ月経ちますが、混雑によるトラブルは一度も発生していません。誘導員を配置したことで、エスカレーター下での滞留も起きず、想定通りフルに活用できている状況です。

また、BIZのデータを使って施策の効果も検証しています。エスカレーター前だけでなく、階段や他の出入り口の通行量が工事前より増えていることが確認でき、私たちが立てた誘導施策が実際に機能していることを示すデータになりました。
一方で、誘導員を置かず看板のみを設置したエリアでは、工事前後で人の流れにほとんど変化がなく、看板だけでは十分に伝わっていないこともわかりました。

こうしてどの施策が効果的だったのかを数字で確かめられるので 「どの施策が有効だったのか」を客観的に判断できるようになりました。
声掛けや誘導の効果を数値で示せたのは大きな成果ですね。現場スタッフの実感とも一致しており、安全運用への自信にもつながっています。

アジラ
データをもとに効果検証ができるのは、今後の運用改善にもつながりそうですね。

黒沼様
そうですね。今後は、イベント時や別エリアの工事でも活用を広げたいと考えています。
特にイベント時は人の流れが大きく変わるため、BIZで来場者数を自動計測して前後比較ができれば、施策効果をより明確に把握できます。
また、災害時には館内の滞留人数をリアルタイムで把握できるようになれば、帰宅困難者の受け入れ判断など防災対応にも役立つと期待しています。

アジラ
安全管理だけでなく、防災や施設運営の最適化にもつながりそうですね。

黒沼様
そうですね。現場の経験とデータの両方を活かしながら、今後も安全と快適さを両立できる施設運営を目指していきたいです。

ーーーーーー

RSC様はasilla BIZでの取得データを、現状把握にとどまらず、施策立案から効果検証まで幅広い場面で活用されています。

アジラは今後も、「AI Security asilla」での安全管理と「asilla BIZ」でのデータ活用を両軸に、安心で効率的な施設運営の実現に向けて、ともに取り組んでまいります。

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