2023-09-07
積極的にサイバー技術を取り入れ、キャンパスDXとして新たな学校施設のあり方を推進する学校法人立命館。大学キャンパスにおける安全性を確保しつつ、開放的で快適な環境の提供が求められていた同校の課題は、200台以上もの防犯カメラのモニタリングでした。いままで以上に安心、安全を意識したキャンパスの構築と最適な警備体制を検討するため、アジラのAI警備システムを2023年4月から導入。今回は立命館大学における安全対策の現状と、警備システム「AI Secuity asilla(旧:AI警備システム「アジラ」/以下asilla」導入に至った背景、そして導入後の変化や取り組みについてお話を伺いました。
◆インタビュアー
株式会社アジラ カスタマーサクセスグループ グループ長 淺井 大生
右 立命館大学 土居様
中央 立命館大学 久米様
左 株式会社アジラ 淺井
久米:立命館大学にAI防犯カメラを入れようと思ったのは、大量にある防犯カメラを人の目で見ることに限界を感じていたためです。
元々キャンパスには200台の防犯カメラがあるのですが、それを人間が全て見るのは中々難しく、1台あたり1秒で見ても200秒かかる状態でした。
つまり、何かあっても200秒後にならないと検知できないという課題があったのです。
久米:200台の防犯カメラがある中で、どう業務効率を上げていくか考えていました。
人がずっとモニターの前に立っているというのは非効率ですし、実際のところ監視していても何も起こらないというパターンがほとんどです。
そこに人員を配置するのはコスト的にも勿体無いのでは?という認識があり、解決策を探していました。
久米:また何かあった場合でも、後々に警察の方が来て「この時間帯に何かがありました。そのタイミングの防犯カメラの映像を見せてください」という用途のほうが多いのが実情でした。
それらの多くは事件が起こってから数時間後や数日後の出来事であるため、そういったケースに直面するたび「これは果たして防犯なのだろうか?」と感じていたのが正直なところです。
土居:そうですね。暴力行為などは中々無いのですが、たとえばスケボーや自転車の禁止区域での使用といった違反の瞬間は頻繁に確認できていました。
ただし、そういった部分も人が張り付いて対応するとなると当たり前ですが疲弊しますし、見落としも発生していたと思います。
久米:AI警備システム導入のきっかけは、技術が発達した「AI」というものを活用するのが時代に沿ったやり方なのかなと感じたためです。
AIによって危険な瞬間に自動でアラートが飛んで迅速に駆けつけられる…というのが、理想的な防犯カメラの使い方なのではないかと思いました。
いち早く危険を察知できれば、より安心安全なキャンパスが実現できると考えて、チャレンジしてみたというのが背景にあります。
久米:実際に様々なプロダクトを調べてトライアルで利用してみたのですが、想定と異なったイメージだったというのが正直な感想です。
その点、アジラさんの場合は、実機をすぐに持ってきて、実際の転倒などのデモを見せながら説明してくれたため、利用のイメージが想像できました。
AIという未知の領域について、どのような製品かすぐに理解ができ、それによって活用のイメージがわいたので、まずは導入してみようとおもいました。
久米:他社製品と比較しても「AI Security asilla」は、検知性能において頭一つとびぬけているという感覚があります。
また、元々防犯カメラの映像を学外に出せないという事情があるのですが、データをクラウドに上げないといけない製品もあったのですが、アジラさんのプロダクトは、サーバー設置型で映像が外に出ないという点も、選ぶ基準になりました。
久米:大阪いばらきキャンパスは、塀がなく公園にも隣接していて360度どこからでも人が入れる環境になっています。
そのためカメラの台数も多くなっているのですが、防犯面における負担軽減や強化という点で、まずは大阪いばらきキャンパスから始めるべきと思い導入しました。
久米:そうですね。一般の方がすぐに入ってこれるキャンパスなのですが、誰でも入れるから不安というのではなく、誰でも気軽に入れる開放的な環境だとポジティブに思ってもらえるようにしたいです。
そのうえで防犯面もしっかり強化するために、防犯カメラやAI防犯の拡張にもしっかり取り組もうと思いました。
土居:導入してから半年ほど経ちますが、asillaが逐次アラートを出すことで違反や危険に対する気づきを与えてくれています。
以前のように、複数のモニターを切り替えながらずっと見ているといったことも無くなりました。細かくアラートを出してくれる点がいいなと思います。
土居:もちろん一目でみて問題があれば駆けつけますが、例えば、転倒を検知した際に、画面を見ると本当に横たわっているけれど、実際に転んでいるのではなくそのエリアで寝っ転がっているだけだったり、ふざけて倒れているだけだったりということもあります。目立つようなところで横たわっている場合などは注意しますが、とくに問題がなさそうであればそのまま、アジラがアラートをあげてくれたものを、人が確認し、上手に活用できていると思います。このような使われ方がされているのか、といった意外な気づきもあったりするのです。
久米:今まで人が見ていた部分をAIがチェックして、アラートを鳴らすことでそのポイントだけ見れば問題ない…という状況に変えてくれた点はいいですね。
また、AIも完璧なわけではないので時に誤った検知をすることもありますが、私はそれでもいいと思っています。たとえ空振りだとしても、空振りかどうかを最終的に人間が確認すればいいのです。
久米:そうです。なのでAIと人の協業が大事だと思っていて、すべてをAIに任せるのではなく、まずは今あるものに組み込んでどう効率化していくかを考えることが重要ではないかと。他のテクノロジーにおいても、丸々置き換えるのではなく今ある技術とどう共存させるかが人手不足などの課題解決につながるのではと考えています。
土居:「asilla」の導入当初から運用を担当していますが、導入当初の頃に比べると、誤検知もかなり少なくなっています。現状でも十分ですが、もっとさまざまな部分で精度が上がることに期待しています。やはり製品を入れたままというわけではなく、随時アップデートがあり、精度が上がっていくというのも魅力だといえると思います。
久米:私は財務部に所属しているのですが、あらゆる契約書に目を通すなかで、キャンパス管理にかかるコストが年々上がっていることに気づきました。キャンパスや学園の体制が変わりゆくなか、このままの運用では厳しさを感じています。
コスト面だけではなく、キャンパス管理の質は下げずに経済的な負担を軽減することができれば、学園の体制改善に貢献できるのはもちろん、学生に対するサービスの向上にも繋がると思いました。このような点でも、初期コストもかからないasillaは試しやすかったといえます。
久米:現状は二名体制でカメラのモニタリングにあたっています。現状は監視の人数体制についてとくに変えてはいませんが、今後asillaのシステムを搭載したカメラが増えると見通し、リソースの削減やオペレーションを変えていくことを想定しています。
現時点では、まだまだでasillaの機能を100%使い切れていないかと感じているため、効果的な場所への設置や、防犯以外の色々な面での活用も進めたいです。
久米:今後は白杖や車椅子検知も活用していきたいです。
そういった方がいるのかどうかが把握できれば、より注意してモニタリングをする意識にも繋がるかと思います。
また、人数カウント機能により建物内の人数が確認できるので、地震が発生した際の対応にも使用できるかなと考えています。
久米:今年度でしっかりと「asilla」の使い方やその効果を確認し、来年の新棟が出来上がるタイミングには、警備体制も一新した形で、本格的にAIを組み込んだカタチで警備体制を整えていきたいと考えております。
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各ベンダーが性能や検知の精度を高めて競争し、加速的に成長を続けるAIカメラ市場。
AIやロボットに対する認知度も高まって、様々な業界においてAI警備導入への理解や興味が増しています。
本稿でご紹介した立命館大学様含め、様々な導入企業様よりシステムの使い方や考え方をご共有いただきアップデートすることで、システムの精度や品質はより向上していくでしょう。
今後もアジラは立命館大学様のAI警備推進に協力し、同校が掲げる「キャンパスDX」実現のために最大限お手伝いさせていただきます。
『asilla』は、世界トップクラスの行動認識技術を基にしたAI警備システムです。既存のカメラをAI化し、異常行動や不審行動を検出したときのみ、瞬時に映像を通知します。映像をモニタリングする警備員の業務を軽減でき、見逃しや見落しも無くすことができます。
警備における課題をDX化によって解消したい企業様・学校様は、ぜひ以下よりお気軽にお問い合わせください。