2025-06-18
近年警備業界は、人手不足や人件費高騰といった課題に直面し、その解決策が喫緊の課題となっています。そうした中、鈴与セキュリティサービス株式会社は、「AI Security asilla(以下「asilla」)」の導入により、これらの課題を克服し、警備品質の向上とお客さまへのコスト負担軽減を両立させることに成功しました。今回は、鈴与セキュリティサービス株式会社 三島支店副支店長の堤様にお話を伺い、導入の背景から具体的な効果まで、その全貌に迫ります。
アジラ:堤様、本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
※鈴与セキュリティサービス株式会社 三島支店副支店長 堤和之様
堤様:こちらこそ、ありがとうございます。私はこの警備業務に勤務して22年になります。以前は製造業で生産管理や品質管理に携わっていたため、警備業に転身して最初は正直「びっくりした」というのが本心でした。お客様にとって直接的な生産性を持たない業務でありながら、非常に必要とされている。だからこそ、この仕事の意味や意義に深くこだわり、日々流されることなく取り組む必要があると感じていました。
堤様:まさにその疑問を抱えていた時に、営業の知人からの1本の電話で「asilla」の名前を初めて耳にしたんです。AI画像解析で施設で起こるトラブル(喧嘩・暴力、侵入、ふらつき、転倒、違和感など)を検知して知らせてくれるシステムだと聞いて、すぐにピンときました。
※「AI Security asilla」では既存の防犯カメラ映像をAIが解析し、異常行動(暴力、転倒、侵入など)や、注意行動(徘徊、混雑、体調不良など)をリアルタイムで検知するシステム。24時間365日、AIが映像を監視することで、警備員の負担を軽減し、より迅速かつ正確な対応が可能。
堤様:この話を聞いてすぐに思いついたのが、警備人員の効率化でした。もしトラブル対応がピンポイントで行えるようになれば、施設管内業務全体の抜本的な見直しが可能になる。そう直感し、すぐにアジラさんにお話を伺いに伺いました。
当時の私たちの最大の課題は、働き方改革による時間制限の厳格化、慢性的な人手不足による採用難、それが引き起こす警備員の質の低下や定着率の低下、募集費の高騰、有給消化義務、最低賃金の上昇など、問題が山積していました。
これらの課題解決を後回しにすればするほど、企業として生き残れない業態へと変わりつつあるという危機感がありました。しかも、これらの費用を安易にお客様に転嫁することはできないという点が、最大の苦悩でした。
商業施設のお客様では当時、12名の警備員が勤務しており、慢性的な人手不足のために常に募集、採用、研修を繰り返していました。以前に値上げをお願いした際も、それが全く利益に貢献しないという状況でした。
堤様:この状況を打破するため、私たちは以下の3つの目標を掲げ、AI画像解析システムの導入による解決を目指しました。
まず、問題点の洗い出しと、お客様の真のニーズ、そして当社の現実的な対応について深く話し合い、これまでの警備員が行っていた業務の分析と仕分けを行いました。その中で、asillaがこれらの目標達成に最も貢献できると判断しました。
堤様:結果として、警備体制を大きく見直すことができました。以前の24時間4名体制の警備を止め、1日あたり7時間、月あたり213時間の総労働時間削減を実現しました。
また、受付業務を女性スタッフに変更し、警備員の負担を減らしました。全館に合計78台のAIカメラを設置し、24時間AIによる監視体制を構築したことで、最終的に警備員5名の削減が可能となりました。
※防災センターで「AI security asilla」を活用する様子
これにより、お客様の警備料金も削減することができ、当社も人手不足の他の警備施設へ人員を異動させることができ、人員充足と定着率の向上という、鈴与で最も大切にしている「三方良しの精神」(近江商人の「売り手良し、買い手良し、世間良し」)を実現できたと信じています。
この成果は、お客様との連携、警備隊、そして何度も施設に足を運び調整を行ったスタッフの賜物だと感謝しています。
アジラ:素晴らしい成果ですね。本日は貴重なお話をありがとうございました!
堤様:ありがとうございました。