DX推進の重要性とは?現状の課題と成功させるためのポイント

2024-02-21

#
コラム

最近、さまざまな分野で「DX推進」という用語を頻繁に耳にするようになりました。
既に多数の企業が、書類のペーパーレス化やバックオフィスの業務デジタル化といった、DX推進の典型的な初期段階の取り組みを始めています。

さらに、ブラックボックス化された業務プロセスの改善や、システムの老朽化及び複雑化の解消に取り組むことは、DX推進の重要性を一層高めています。次のステップを明確にするためにも、DX推進に対する理解を深め、効果的な戦略を立てることが必要です。

そもそもDX推進とは?

DX推進を進めるにあたり、まずはしっかりと概念を理解することが大切です。

DX、またはデジタルトランスフォーメーションは、企業や組織がデジタル技術の力を借りて業務やサービスを効率化し、迅速に変化するビジネス環境に柔軟に適応できるようにするプロセスを指します。

_______________________________________________

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

引用:デジタルガバナンス・コード|経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html

_______________________________________________

この定義により、DXは単にテクノロジーの導入に留まらず、企業全体の変革を意味し、持続可能な成長と競争力の向上を目指す戦略的な取り組みとして位置づけられます。今後、DXの推進がなぜ重要視されるのか、その背景について詳しく見ていきましょう。

DX推進が必要となる背景

DX推進が急務とされる背後には、「2025年の崖」という重要な概念があります。これは、旧式のシステムがサポート終了を迎え、それに伴いセキュリティリスクの増大や運用コストの上昇が懸念される時期を指します。特に、広範に利用されているSAP ERPなど基幹システムのシステムのサポート終了は、多くの企業にとって重要な転換点になると予想されます。

そして2025年の崖に向けた対策として、企業は古いシステム(レガシーシステム)を最新のデジタル技術に置き換える必要があります。
またレガシーシステムの解消は、業務の効率化とイノベーションの促進を考えた場合に必要不可欠です。レガシーシステムを脱却しないまま放置した場合、最大12兆円の経済損失を引き起こすといわれています。

DX化は、これらの課題を解決するための取り組みでもあります。
しかし現状、日本国内におけるDX推進は芳しいとは言えない状況となっています。

日本国内におけるDX推進の現状

独立行政法人情報処理推進機構の調査によると、DX化に取り組む3,956社の自己評価における現在値と目標値の差は以下の通りです。

※全企業における現在値と目標値の平均を記載   
※0に近いほどデジタル企業としての成熟度が低い
出典:DX推進指標自己診断結果 分析レポート|独立行政法人情報処理推進機構
https://www.ipa.go.jp/digital/dx-suishin/hjuojm000000idx3-att/dx-suishin-report2022.pdf


上記表からも判断できるように、DX推進における目標値に2段階ほど届いていない結果となっています。
また様々な指標のなかでも、「投資意思決定、予算配分」「技術を支える人材」といった部分の平均値がとくに低いことから、多くの企業でDX人材の確保や、新システム導入・運用に対する理解が滞っていることが伺えます。

DX推進=AIを導入することではない

DX推進における誤った認識として、「AIやロボットを実務に導入すれば上手くいく」という考え方が挙げられます。

確かに、DX推進において、AI・ロボットの導入は効果的な手法の一つです。
しかし、ツールやシステムを導入しただけではDXを推進したとは言えません。

AIやロボットは、データの処理や意思決定プロセスの効率化を支援するツールです。これらのテクノロジーを取り入れる際には、ただ導入するだけでなく、その利用を通じて得られる効果を適切に評価し、最大化するための体制を整える必要があります。

DXを成功させるには、テクノロジーの導入に加えて、ビジネスプロセスや組織文化の変革が求められます。変化するビジネス環境に柔軟に対応できる体制を構築することが、本質的なDX化です。そのためには、導入されたテクノロジーを効果的に活用できる人材の育成や、組織構造の見直しなど、テクノロジーと人間が協働できる環境の整備が不可欠です。

DX推進のメリット

DX推進は、ビジネスにおいて多くのメリットをもたらします。

  • 既存業務の生産性向上
  • 人材不足の解消
  • 属人化・ブラックボックス化した作業の改善

代表的な3つのメリットについて、以下より詳細を解説します。

【メリット①】既存業務の生産性向上

DX推進によりデジタル技術が実務に導入されることで、既存の業務プロセスを自動化し作業時間を削減することが可能となります。
たとえば、社内データ管理の場合、書類のペーパーレスに加え、クラウド環境でデータを管理する体制を整えることで、場所や時間に関係なく関係者によるデータアクセスの速度向上が期待できます。

また、警備業務の場合、防犯カメラ映像のモニタリング業務にAIシステムを導入することにより、人では厳しい長時間・長期間のミスの無いモニタリング業務が可能となり、既存業務の効率化が見込めます。

参考:製造業DX取組事例集|経済産業省
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/000312.pdf

【メリット②】人材不足の解消

多くの企業の課題の一つとして「人材不足」が挙げられます。
前述のように、DX推進のひとつである「システム導入」により、単純作業や時間を要する事務業務が自動化されることから、人手不足の解消が図ることが可能となります。

たとえば、チャットボットや自動応答システムは、とくにto Cビジネスにおいてカスタマーサービス人員の介在を減らすことが可能です。

また、警備業界におけるAI警備システムの導入は、警備員のモニタリング業務のサポートをはじめ、事件・事故発生時にアラートにて知らせるなど警備業務の負担を軽減します。

その結果、既存業務に当てていたリソースを、その分重要度の高い業務に充てることで、最適な人員配置や人材不足解消の一助になることが期待できます。

【メリット③】属人化した作業の見える化・改善

属人化した業務とは、「業務が特定の個人に依存している状態」のことを指します。

業務が属人化した場合、その業務の詳細が担当者本人にしかわからない、つまり本人以外理解できていない”ブラックボックス化”した状況となります。
特定の個人に依存した業務が多々ある場合、その人員の体調不良や退職によって業務全体に支障をきたすリスクがあるため、企業にとっては非常に致命的な課題のひとつと言えるでしょう。

このような状況を防ぐためにも、システムやツールを導入することで、属人化・ブラックボックス化されている業務プロセスを標準化し、作業の透明性を高めることが可能となります。

たとえば、クラウドベースのプロジェクト管理ツールや、ドキュメント共有システムを用いれば業務の進行状況や情報をチーム全体で共有しやすくなります。
個々人の知識や経験が、組織全体の資産として活用しやすくなるでしょう。

DX推進のための準備と進め方

続いて、DX推進のための準備と進め方を段階に分けて解説します。
DX推進は、以下の流れで進めるようにしましょう。

  1. DX推進における目的の設定
  2. プロセスの明確化
  3. ステークホルダーへの共有
  4. システム導入後のPDCA

①DX推進における目的の設定

DX推進を成功させるためには、明確な目的を設定することが大切です。
また、設定する目的は「業務効率化」や「市場競争力の向上」など、具体的に定義する必要があります。

まずは、企業のビジョンと現状のギャップを抽出し、そのギャップを埋めるためにデジタル技術をどのように活用すれば目的を達成できるのかを検討すると良いでしょう。
検討する際には、DXの方向性と優先順位を決定する基盤となるので、決裁者や現場責任者も交えてしっかりと議論を進めることが重要です。

②プロセスの明確化

DX推進の目的を設定した後は、具体的にどう進めるべきなのか「プロセス」を明確化する必要があります。
代表的なプロセスとしては、「既存業務の精査」や「各タスクのスケジュール設定」「ステークホルダーや関係者への確認」などが挙げられます。

例えば、「業務効率化」を目的に警備業における既存業務を精査する場合、防犯カメラ映像のモニタリングは多くの施設では警備員を中心に実施していますが、AIシステムでの代替も可能な業務の一つであると言えます。精査の結果、モニタリングはAIシステムを中心に実施し、事件・事故を検知した際には警備員が駆けつけるなど、新たな業務フローの検討が可能となるでしょう。

③ステークホルダーへの共有

DX推進をスムーズに推進するためには、組織体制の整備が必要です。
そのため、各ステークホルダーへDX推進の意義やプロセスに関して共有し、理解と協力を求めることが必要です。

DXの目的とメリットをわかりやすく伝えて、ステークホルダーの関心と理解を深めるための情報共有をしっかり行うことが大切です。
また、定期的なMTGや議事録の共有を実施して、DX化の進捗と成果を社内に広く伝えることも検討した方が良いでしょう。

④システム導入後のPDAC

新しいシステムの導入に際して、段階的なテストと改善は必要不可欠です。
まずは導入前のテストで得たフィードバックを基に、システムの最適化を図りましょう。

また導入後も、実務状況や他の従業員のフィードバックを参考に、カスタマイズを重ねる必要があります。
使い勝手やシステムの安定性を考慮しつつ、継続的な改善を行うことがDX成功の鍵です。

警備を軸としたDX推進ならアジラにお任せを

DX推進でAIを導入するには、結果が出るまで時間を要するため、運用し続けることが大切です。
AI Security asillaの場合、既存の防犯カメラをそのまま活用できるため、導入コストを最小限に抑えつつ、警備工数の削減や警備の質向上を図ることが期待できます。また、システムのバージョンアップ時には追加費用は不要のため、導入後も安定した運用が可能なのが特徴的です。

また、モニタリングをはじめとする既存業務の代替も可能なため、人手不足に課題を抱えている施設や遠方にある複数施設での活用も可能です。

DX推進に取り組む警備会社の方、複数施設を保有する企業様はぜひAI警備システム「AI Security asilla(以下『asilla』)」をご活用ください。

>>AI Security asillaをもっと知る<<

※「アジラ」の名称・ロゴは、日本国およびその他各国において株式会社アジラの登録商標です。
※記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
※プレスリリースに掲載されている内容、サービス/製品の価格、仕様、お問い合わせ先その他の情報は、発表時点の情報です。その後予告なしに変更となる場合があります。

No items found.
VIEW MORE

CONTACT US

お問い合わせ
製品に関するお問い合わせ・ご相談はこちら