2023-09-25
慢性的な人手不足が続く警備業界。その原因と根本的な解決策は?本記事では、警備業界12年の経験を持つセキュリティアドバイザーが警備業界が抱える人手不足の現状とその理由、解決策について解説します。
警備員は施設の保全や利用者の安全を担う大切な仕事。その一方で慢性的な人手不足という課題を抱えている職業のひとつです。
日本国内で警備が必要な施設や、建物の数は常に一定数あるにも関わらず人が足りていない現状は、安全面を考慮しても非常に深刻な事態だといえるでしょう。
本記事ではアジラで警備サポートを務めるセキュリティーアドバイザー安部田が、警備業界における人手不足の原因とAIを活用した解決策について解説します。
株式会社アジラ セキュリティアドバイザー
安部田 貞勝(SadakatsuAbeta)
警備業界で12年間活動し、現場立ち上げから運営、指導まで幅広い業務を経験したセキュリティ専門家。社会の変化と共に常に問題解決能力を発揮し、その中で培った深い知識と経験を活かして2022年からAI警備システムを提供する株式会社アジラに参画。現在はセキュリティアドバイザーとして、企業のセキュリティ課題に対し策定と解決に向け様々な施策を提案、サポートを推進中。
厚生労働省が発表している一般職業紹介状況によると、警備業(保安業)における有効求人倍率は令和5年4月時点で6.64倍となっており、その他の職種が1~2倍程度であることを考慮すると突出しています。
有効求人倍率とは求職者に対する求人数の指標であるため、警備員一人当たり6件の求人があると考えると、現場に対して人手が足りていないことが伺えるでしょう。
また令和4年の犯罪対策閣僚会議においても、「世界一安全な日本」を実現するうえで警備業の重要度は高く、生活安全産業のひとつとして質的向上を図ると発表されています。
様々な公的資料からも、警備員を必要とする場所は多くあり一つひとつの重要度が高いにもかかわらず、人員が充足していない現状が読み取れます。
出典:一般職業紹介状況(令和5年3月分及び令和4年度分)について
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001089527.pdf
出典:令和4年12月20日犯罪対策閣僚会議 「世界一安全な日本」創造戦略2022
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/kettei/221220/honbun-1.pdf
警備業界が人手不足に陥る主な原因として、以下の3つが挙げられます。
・フルタイムになりがちな勤務体制
・リスクを伴う仕事への懸念
・警備員の需要の高まり
それぞれの課題感について、詳しく見ていきましょう。
近年ライフワークバランスや新型コロナの影響により、リモートワークやフレックスタイム制など働き方が多様化しており、IT業界を中心とした企業では就労者一人ひとりが自分に合わせた労働環境を選べるよう柔軟な働き方を導入しつつあります。
しかしその一方で、警備業界においては現場での業務を前提とした固定の就業時間かつ8時間のフルタイム稼働が求められるケースが一般的です。
交代制の現場も少なくはないものの、警備状況の引き継ぎや勤怠管理の難しさや、パートタイム人員とフルタイム人員の組み合わせが難しいというのが現状です。
また警備会社によっては、現場の警備員自身が事務処理をおこなうケースもあります。
短時間の業務が難しく、基本的に現場にてフルタイムで働くケースが多いというのが、他業種と比較して警備業界が人手不足に陥りやすい原因の一つです。
警備員の仕事は、人々の安全を危険や事件・事故から守ることです。
そのため、事件や事故にあうリスクが他の職種よりも高いと言えます。
自身が危険にさらされる可能性があることはもちろん、状況によっては施設や周囲の人への被害を完璧に防げない可能性も少なからずあるでしょう。
そうした場合、いくら警備員が万全を尽くし警備を行ったからといっても結果によっては周囲から納得してもらえないこともあります。
完全に事件事故を引き起こさないようにするには人員拡充が効果的であるものの、コスト的な限界もあることに加え、、人手不足な状況であるためそもそもリソースが足りていません。
そのような背景も、人員拡充を妨げる一つの要因だといえるでしょう。
世界的に屈指の治安の良さを誇っていた日本ですが、昨今の事件・事故の増加により治安悪化を問題視する声が強まり、安心安全への需要が拡大しています。
実際に警視庁が実施した調査(*1)によると、体感治安に関して全体の67.1%が「悪くなったと思う」と回答しています。
また、同庁実施の警備業に関する調査(*2)では、警備業者の数は過去5年で9,714業者(2018年)から10,524業者(2022年)にまで810業者も増加していることから、年々警備への需要が高まっていると言えるでしょう。
人々の安心安全を目的に、不特定多数の人が多く集まる商業施設や大型のオフィスビル、空港をはじめ、街中の交通誘導や建設中の工事現場などさまざまな場所で警備員は必要とされています。ただし前述の通り、現時点でも警備員のニーズに対し、供給が十分に追いついていない状態です。
今後もさらなる安心安全への需要拡大は見込まれるものの、さらに人手不足に拍車がかかることが予想され、早急な対策が求められている状況にあると言えるでしょう。
*1 警視庁発表「令和4年の犯罪情勢」調査ー「体感治安」より参照
令和4年10月に全国15歳以上の男女5000人を対象に実施
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/crime/r4_report.pdf
*2 警視庁発表「令和4年における警備業の概況」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/r4keibigyougaikyou.pdf
警備業界における人手不足の実情や原因について紹介しましたが、この現状を改善するには将来性の項目で言及したAIをはじめとする最先端技術の活用に他なりません。
いくら積極的な採用活用を行ったとしても、警備業界自体の労働環境を改革しない限り抜本的な解決には至りません。
実際に、過去実施された警備業の自主行動計画フォローアップ調査によると、調査対象の警備会社の91.8%が警備員の採用活動を強化したにもかかわらず、そのうち78.0%の企業が人材を確保できなかったというデータがあります。
人の労力を減らすシステムを効率的に使って、抑えたコストを警備員一人ひとりに還元することこそが、警備業界における人手不足解消の糸口になるのです。
警備員1人あたりの満足度を上げられれば自然と求職率や定着率が高まるとともに、離職率の低減も期待できるでしょう。
出典:警備業の自主行動計画フォローアップ調査の概要
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/katsuryoku_kojyo/torihiki_wg/dai8/siryou3-2.pdf
従来の人による警備は大きな抑止力があった反面、多大なマンパワーが必要不可欠でした。
また、個々人の警備員の経験やスキルによって品質にバラツキが生じるという課題もあり、心身ともに負担が大きい警備体制であったといえます。
過酷な現場での警備を刷新し、警備員一人ひとりの負担を減らすことこそが、人手不足の状況脱却に繋がると言えるのではないでしょうか。
安全性を維持しつつ問題解決を図るためには、AIなど最先端技術を活用したDX化推進がカギとなります。
AI警備システム『AI Security asilla(以下「asilla」)』は2022年1月末のリリース以来、大型複合施設や商業施設を中心に、オフィスビル、医療介護施設、大学キャンパス、駅やインフラなど様々な施設の導入ニーズが急増しています。
世界トップクラスの行動認識AIを採用した『asilla』は、人の動きに対する検知精度が高く、施設内に設定した侵入禁止エリアに人が入った場合、早期検知が可能です。既存の防犯カメラの活用範囲を広げて、強固なセキュリティ体制を構築し、警備員との効率的な連携により、施設全体のセキュリティレベル向上に寄与しています。
ここでは、行動認識AIを活用したAI警備システム『asilla』でどんなことが出来るのか、解説いたします。
防犯カメラに映った映像をAIが自律学習を行います。AI搭載後は、AIによる映像解析が随時実施。
例えば、街中で暴力行為など事件が発生した場合、AIは学習した通常行動を元に「暴力」を逸脱した動きとして数秒で「違和感検知」をします。
不審な行動や予期しない危険行動を捕捉し、即時警備員など関係者にアラートにて通報を行います。
<u-line>人の目では見落としがちな事件事故を漏れなく数秒という短時間で早期発見することが可能<u-line>に。
また、<u-line>事件事故の予兆検知にも繋がり、更なる防犯対策の強化が期待<u-line>されています。
警備業界の大きな課題のひとつである人手不足。
一方で、警備のニーズは日々拡大し続けており、一刻も早い対応が求められています。
アジラのAI警備は既存のカメラをそのまま活用できるため、新たな投資や手間など負担なく、AI警備の導入を行うことが出来ます。そして、警備員の負担を軽減しつつ、AIによる24時間365日の徹底したサポートにより、抜け漏れない高品質の警備の提供を行うことが可能となります。
警備業界における人手不足の解消、そして警備員の負担軽減や警備品質の更なる向上のためにも、ぜひ現場へのAI警備導入をご検討してみてはいかがでしょうか?
行動認識AIを利用した次世代のセキュリティシステム
AI Security asilla 資料ダウンロードはこちらから
太陽光発電所関連業者向けのセキュリティ相談窓口新設に関するリリースはこちら
■株式会社アジラ
代表者:代表取締役CEO 木村 大介
所在地:東京都町田市中町一丁目4-2
資本金:3000万円
事業内容:AI警備システム『AI Security asilla』開発と販売
公式HP:https://jp.asilla.com/
アジラは、防犯カメラの映像における個人情報・プライバシーに対して、下記指針を遵守しております。
AI憲章:https://jp.asilla.com/ai-charter
情報セキュリティ方針:https://jp.asilla.com/security
プライバシーポリシー:https://jp.asilla.com/privacypolicy
利用規約:https://jp.asilla.com/termsofservice
※「アジラ」の名称・ロゴは、日本国およびその他各国において株式会社アジラの登録商標です。
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