2026-07-13

日々数万人が行き交う渋谷駅直結の大規模複合施設「渋谷スクランブルスクエア」。
地上47階建ての施設内にはオフィスや共創施設、商業施設、展望施設「SHIBUYA SKY」が集まり、渋谷を代表するランドマークとして多くの人に利用されています。
同施設の常駐警備を担う東急セキュリティ株式会社は、AI警備システム「AI Security asilla」を活用した警備オペレーションサービス「TS-Zero®」を展開し、モニタリング業務の効率化と警備品質の向上に取り組んでいます。
今回は、東急セキュリティ タウンセキュリティ事業本部 施設警備サービス部 渋谷スクランブルスクエア警備隊の蛎崎俊之隊長に、導入の背景から活用、今後の展望についてお話を伺いました。



蛎崎隊長:渋谷スクランブルスクエアは渋谷駅直結ということもあり、オフィスワーカーや買い物客、国内外の観光客など、さまざまな方が日々いらっしゃいます。利用者の層も幅広いですから、警備の現場としては常に幅広いリスクに対応していく必要があります。
そうしたリスクにいち早く気づけるよう、建物内には650台のカメラを設置しているのですが、当然すべてのカメラを人の目だけでカバーするのは難しいですよね。仮にモニターを見ていたとしても、転倒の瞬間をたまたま目撃できるかというと、なかなかそうはいきません。
また、エスカレーターでの転倒や、出入口付近での長時間の滞留・座り込み、エレベーター入口付近の混雑など、施設のさまざまなエリアで注意を払うべき事象があります。こうした課題に対して、モニタリング業務の効率化と警備品質の向上を両立できる仕組みが必要だと感じていました。
蛎崎隊長:これまでは、何か事象が起きた際に連絡を受けてからカメラを確認し、現場に駆けつけるという、どうしても事後的な対応になっていました。カメラは十分な台数が設置されているのに、それを活かしきれていないという課題感がありましたので、AIが映像を解析してリアルタイムで検知してくれるという仕組みには、現場として大きな期待がありました。
しかも、新たにカメラを設置するのではなく、すでにある設備をそのまま活用できるという点も良かったですね。
当社では、asillaのAI検知と警備員の現場対応を一体化させた仕組みを「TS-Zero」と名付けて展開しています。簡単にいうと、AIが「異常を検知しました」とアラートを上げてくれて、警備員がそれを確認して駆けつける。この流れをひとつのサービスとして確立したものです。

蛎崎隊長:一番大きかったのは、対応のスピードが格段に上がったことです。
例えば、以前はソファエリアで体調を崩されている方がいても、たまたまモニターでそのカメラを見ていたり、巡回で通りかかったり、他のお客様からご連絡をいただいたりといったタイミングが合わなければ、なかなか気づくことができませんでした。それが今は、AIが異変を検知した時点でアラートが上がるので、すぐに映像を確認して駆けつけることができます。
こうした変化はソファエリアに限らず、エスカレーター付近での転倒や出入口での座り込みなど、施設内のさまざまな場面で起きています。AIがアラートを上げてくれることで、まず「何かが起きている」ということに気づける。そこから映像を確認して、対応が必要かどうかを判断し、必要であれば警備員が駆けつける。
この「気づき→判断→対応」の流れが格段に速くなったのは、現場にいる人間だからこそ実感できる部分ですね。

蛎崎隊長:効果はいろいろありますが、わかりやすいところでいうと巡回時間の削減ですね。現在、施設内の650台のカメラのうち50台をasillaと連携させています。この50台は、人通りが多く、これまで重点的に巡回を行っていたエリアのカメラです。こうしたエリアをAIが常時カバーしてくれるようになったことで、1日あたり約3時間、月間で約100時間の巡回時間を削減できています。
巡回というのは歩く距離も多いですし、警備員の体への負担にもつながっています。その巡回が少しでも減るというのは、現場にとって非常に大きいことですね。
蛎崎隊長:大きくは「安全管理」と「迷惑行為への対応」ですね。まず安全管理の面では、建物内での転倒やエスカレーターでの巻き込みなど、緊急性の高い事象をAIがリアルタイムで捉えてくれます。出入口付近での滞留や座り込みも、体調不良の可能性があるので見逃せません。いずれも、アラートが上がったらまず映像を確認して、対応が必要かどうかを判断した上で、必要があれば現場に向かうという流れです。
蛎崎隊長:施設内の禁止エリアでスケボーに乗る方がいらっしゃるんですよね。歩行者との接触による怪我のリスクもありますし、施設の床や外構を傷つけてしまうこともあります。また、お酒を召された方が夜中に敷地内で寝込んでしまうケースもあります。
こうした迷惑行為に対しても、AIが検知して知らせてくれるので、以前のように巡回のタイミング次第ではなく、リアルタイムで把握して対応できるようになりました。安全管理だけでなく、こうした迷惑行為への対応にもAIが活きているのは、現場としては心強いですね。
蛎崎隊長:全体を通して言えるのは、AIが常時モニタリングしてくれることで、人の目だけでは補えなかった部分をカバーしながら、限られた人員をより重要度の高い業務に集中させられるようになったということです。人間の目で見るのには限界がありますが、それをAIが補ってくれる。非常にポジティブなシステムだと感じています。
また、AIが気づきの部分を担ってくれることで、警備員個人のスキルや経験に左右されず、誰が担当しても同じ水準の対応ができるようになったのは大きいですね。

蛎崎隊長:現在は650台のうち50台にasillaを導入していますが、今後はこの活用実績をもとに、対象カメラの増台も含めて、より詳細な活用方法を検討していきたいと考えています。50台でこれだけの成果が出ているので、さらに広げていくことで、警備体制全体をより強化できるのではないかと期待しています。
AIの活用によって、人にしかできない業務により多くのリソースを割ける体制を目指していきたいと考えています。
AIは警備業界にとって、大きな可能性を持った存在だと感じています。
人間の目だけでは限界がある部分をAIが補ってくれることで、警備の質を落とすことなく、業務の効率化を実現できる。
今後もasillaとの連携を深めながら、渋谷スクランブルスクエアの安全・安心を守り続けていきたいと思います。
【渋谷スクランブルスクエアへ「AI Security asilla」を正式導入 〜東急セキュリティの「TS-Zero®」と連携し、AIを活用した警備DXを実現〜】
https://jp.asilla.com/post/introduction-shibuya-scramblesquare-20260427

「AI Security asilla」では、既存カメラ映像を活用したデモンストレーションや、施設の状況に合わせた導入のご相談を随時受け付けています。
警備体制にお悩みの施設管理者・警備事業者の方は、お気軽にお問い合わせください。
